物理のエッセンスがゴミだと言われる理由を旧帝大理系次席が解説

「物理のエッセンス」は定番の物理の参考書です。

しかし、「物理のエッセンス」と検索欄に入力してみると、「物理のエッセンス ゴミ」という検索候補が出てきました。

 

最初見た時は、正直驚きました。

が、受験生の頃に物理のエッセンスを愛用していた経験を基によくよく考えてみると、「これから物理を勉強する初学者には物理のエッセンスは絶対におすすめできないな」と思ってしまいました。

 

ということで今回は、物理のエッセンスがゴミと言われる理由を解説します!

筆者の情報 旧帝大次席現役合格、共通テスト得点率86%、旧帝大2次試験得点率87%、TOEIC975所持、英検準1級所持

物理のエッセンスとは

物理のエッセンスは、高校物理の王道参考書です。以下の2部構成になっています。

  1. 力学・波動
  2. 熱・電磁気・原子

物理のエッセンスが目標としているのは、「教科書には書かれていないけど重要な事項」を解説することです。

たとえば、物理現象を感覚的に理解するためのフィーリング的な説明や、公式における「考え方の流れ」などなど。

 

逆に、用語の説明などについては解説が少ないです。

用語の説明などは学習するのが退屈なので教科書に任せるというスタンスを取っています。

 

そのため、物理のエッセンスは、物理の考え方に特化した参考書とも言えます。

 

本記事のテーマは「物理のエッセンスがゴミと言われている理由」なので、解説はこれくらいにします。

もっと詳しく知りたい方は「難しい?わかりにくい?物理のエッセンスの評判・レベル・使い方」をご覧ください。

物理のエッセンスがゴミと言われる理由

さて、ここから本題です。

物理のエッセンスがゴミと言われる理由は4つ考えられます。

  1. 本質を突かない感覚的な解説だから
  2. 公式・解法暗記になってしまうから
  3. 実践演習できないから
  4. 解説がわかりにくいから(特に電磁気はひどい)

本質を突かない感覚的な解説だから

「物理の”エッセンス”」という名前なのに、本質的な解説はほぼありません。

どの分野も感覚的な解説で終わっています。

 

物理は感覚やフィーリングで解ける分野ではありません。

本質理解を理解することではじめて、物理現象を論理的に分解し、考えられるようになります。

 

物理のエッセンスを読んでも「どういう原理なのか」という本質を理解できるようにはならないため、「ゴミ」と言われてしまうのでしょう。

公式・解法暗記になってしまうから

物理のエッセンスの構成は大まかに以下のようになっています。

  1. 公式・解法の流れの提示
  2. 公式・解法の流れの実例
  3. 例題
  4. 問題

このように勉強を進めてしまうと、どうしても公式・解法暗記になってしまいます。

そのため、簡単な典型問題こそ解けるようになりますが、少し難易度が上がった応用問題になると途端に手が動かなくなります。

筆者
共通テストレベルの問題ですら、満足に解けないでしょう。

実践演習できないから

上述のように、物理のエッセンスには解説のほかに、公式・解法を使う問題も掲載されています。

 

普通、物理の問題では問題文と図が提示されます。

そして、問題文を読み解き、図に必要な情報を自分で書き込んで現象を分解していくことで、答えを導き出していきます。

 

しかし、物理のエッセンスには問題文と言えるものがほとんどなく、また、すでに必要な情報が書かれていることが多いです。

つまり、実践的でないということです。

 

そのため、物理のエッセンスで問題演習をしたところで、受験物理はできるようにはならないと言えます。

筆者
まあ物理のエッセンスは解説メインの「参考書」であり「問題集」ではないので、これはしょうがないですね。

解説がわかりにくいから(特に緑/青の電磁気はひどい)

これはかなり致命的な欠陥ですが、全体的に解説がわかりにくいです。

特に、緑色(熱・電磁気・原子編、ちなみに昔は青色だった)の電磁気の解説は何回読んでも理解できませんでした。

筆者
大学受験物理における電磁気は、頻出で配点も高い、力学と並ぶ超重要単元です。確実に理解したい単元ですが、物理のエッセンスではおそらく8割以上の人が理解できません。

 

また、ところどころに読者が疑問に思いそうな点を解説する「Q&A」というコラムがあります。

このコラムも本当にわかりにくいです。(むしろ、読まない方がいいレベル)

物理のエッセンスには良いところもある

ここまで物理のエッセンスの悪い点について解説してきましたが、もちろん以下のように良い点もあります。

  1. 問題の出題パターン(どんな問題が出題されるのか)がわかる
  2. 問題を素早く解く裏技的な考え方が学べる

とはいえ、ほとんどの問題集では上の2点を学べます。

そのため、わざわざ物理のエッセンスを使って学ぶものでもありません。

物理のエッセンスはおすすめしない

以上から、物理のエッセンスはおすすめしません。

 

「じゃあどうやって物理を勉強すれば良いのか」と思いますよね。

正直言ってしまうと、教科書を読んで「物理わからん!」となった人は、どの参考書を使っても多分わかるようにはなりません。

筆者
そのくらい、物理というのは難しい単元なんです。

 

世の中には、物理のエッセンスのほかにも、工夫を凝らした参考書はたくさんあります。

しかし、どの参考書を使っても「物理のセンス」がないなら、ぶっちゃけ理解するのは難しいです。

 

  • 物理のエッセンスを使って理解できないと感じた
  • 教科書を読んでも訳がわからなかった

という人はいろいろな参考書を買い集めるより、個別指導などを利用して、物理を理解できている人から教えてもらうのが最適です。

その方が時間も苦労もかかりません。

 

私が特におすすめしているのが、個別指導のトウコベです。


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筆者
独学で勉強するより、はるかに短期間で成績を伸ばせます。

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まとめ

「物理のエッセンスはゴミ」と言われる理由を考えてみました。

物理のエッセンスにはもちろん良いところもありますが、あまりおすすめできません。

筆者
本記事で解説した内容をしっかり頭に入れて、物理のエッセンスを使うかどうか判断するようにしましょう!

 

ほかの参考書については「参考書まとめ」で解説しているのでぜひご覧ください。

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