名問の森(×名門の森)は、「物理のエッセンス」や「良問の風」に連なる問題集です。
公式によると、このような順番に使うことが推奨されています。↓
- 物理のエッセンス
- 良問の風
- 名問の森
名問の森は「力学・熱・波動Ⅰ」編と「波動Ⅱ・電磁気・原子」編の2部構成です。
波動Ⅰでは波の性質や共鳴、ドップラー効果などを主に扱っています。波動Ⅱでは光の干渉を主に扱っています。
今回は名問の森のすべてを、私が受験生時代に実際に使っていた経験も交えながら、紹介します。
物理の勉強の進め方が良く分からない方は、先に以下の記事をご覧ください!
「物理の独学は難しい?」「どんなふうに勉強するのがいい?」 今回はこんな疑問に答えます。 私は高3から独学で受験勉強をはじめ、物理の偏差値を50→70オーバーに上げました。 […]
名問の森のレベル
名問の森のレベルは、「国公立2次標準~最難関」です。
偏差値で言うと「60以上」です。
国公立の2次試験で物理を得点源にしたい人や旧帝大を狙っている人が使うような、難しい問題集です。
しかし、偏差値60~65の人でもうまく使うことができれば一気に成績が伸びます。
この問題集では、問題ごとに難易度が設定されています↓
★★:基本
★:標準
★:応用
★★:難
ちなみに、★★は本当に難しいです。
今回はこの難易度設定に基づいてお話していきます。ざっと覚えているとすらすら読み進めることが出来ますよ。
名問の森の問題数
冒頭で述べた通り、名問の森は「力学・熱・波動Ⅰ」編と「波動Ⅱ・電磁気・原子」編の2部構成です。
「力学・熱・波動Ⅰ」編
分野 | 問題数 |
力学 | 43問 |
熱 | 16問 |
波動Ⅰ | 14問 |
波動Ⅰでは主に、波の性質やドップラー効果、レンズなどを扱っています。
「波動Ⅱ・電磁気・原子」編
分野 | 問題数 |
波動Ⅱ | 9問 |
電磁気 | 44問 |
原子 | 14問 |
波動Ⅱでは主に、波・光の干渉を扱っています。
名問の森の評判
名問の森の評判を、良い評判、悪い評判に分けてまとめました。
良い評判
良い評判はこんな感じです↓
- 良問が多い
- 解説が丁寧
- 微積が使われていないのがうれしい
名問の森という名前通り、良問がそろっているという意見が多かったです。
解説も、図解はもちろん、論述口調で過程を省かず説明されているので、かなり分かりやすいです。
難しい物理の問題集ほど微積を使った解答・解説になってきます。しかしこの問題集には微積が出てこないので、安心です。
悪い評判
悪い評判はこんな感じです↓
- 高校物理の範囲内での解説なので厳密性が微妙
悪い評判はほとんど見つかりませんでした。
ただ、高校物理の範囲内での解説になっているため、特に電磁気について、厳密性が微妙という意見がありました。
これはしょうがないですね。
名問の森の効果的な使い方
名問の森を愛用していた私が、その効果的な使い方を紹介します。
偏差値60~65
- 赤星の問題を中心に解く
- 黒星の問題は3分考える
- わからなかったら解説(解答)を読む
偏差値60~65の人は、解法はある程度知っているでしょう。
ただ、物理の問題を解く上での考え方や発想力がまだ足りていないことが多いです。
なので、赤星の問題を確実に解けるようになることが第一歩です。
特に、★の問題は少し考える必要があるけどなんとか解けると思います。ちょうどいい、絶妙なレベルの問題ですよ。
そういう問題を多く解く経験を積むことで、基本的な考え方と発想力を養っていきましょう。
あと、★と★★の問題は難しいです。偏差値60~65の人でも、初見ならずっと考えても答えられない場合も多いでしょう。
3分くらい考えてわからなかったら解説を読んでしまうことをおすすめします。
解説を読むと、「こういう考え方があるのか~」と新たな発見がありますよ。
偏差値が65以上になったらそういう考え方を定着させていきましょう。
偏差値65以上
- 導入部分の赤星の問題をざっと解く
- 黒星の問題をじっと考えて解く
- 分からなかったら解説を読んで確実に頭の片隅に入れておく
これの繰り返しです。
赤星の問題は大問の導入部分なので、飛ばさずに解いておきましょう。
偏差値が65以上の人は赤星の問題ならほとんど間違いなく解けると思います。
偏差値65を超える人がさらに成績を上げるためには新しい考え方を習得していく必要があります。
黒星の問題はそういう新しい考え方を使って解く必要があります。何度も繰り返して、発想力を鍛えていきましょう。
今まで使ってきた参考書や問題集では出てこなかった新しい考え方を学習しましょう。どんな問題にも対応できるようになることが大事です。
特に、力学分野が問題・解説ともに最高です
特に、力学分野の問題・解説が神です。
私は他の物理の問題集もいくつか使いました。それらと比べて、力学分野は一番だったと思います。
問題数が少ないのに、力学のどんな問題にも対応できるようになりました。厳選された問題が載っているので、効率がとても良いです。
解説も丁寧で分かりやすく、読んでてなんだか心地が良いんです。
なので、私はただの読み物として読書していることもありました。
なので、苦手な方は力学分野だけでも使うことをおすすめします。
個人的に思う良いところと悪いところ
実際に使っていた私の個人的な意見も書いておきます。
名問の森の良いところはこれです↓
- 良問がそろっている
- 解説がわかりやすい
- 問題数がそれほど多くない
良問揃いで解説も分かりやすいです。加えて、問題数が少ないので比較的はやく終わらせることができます。
悪いところはこれです↓
- 電磁気分野で難しい問題がかなり多い
- 基礎が分かっていないと全く使えない
この問題集では電磁気分野が他の分野に比べて難しいです。
また、基礎力がない人はこの問題集を使ってもあまり効果はないでしょう。基礎力をつけるためには、物理のエッセンスなどを使うことをおすすめします。
物理のエッセンスについて詳しく知りたい人は次の記事をご覧ください!
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重要問題集との比較
【結論】どちらか片方使えばいい(名問の森の方がおすすめ)
重要問題集と比べて、問題のレベルは少しだけ高いです。しかし、わざわざどちらもやる必要はありません。
どちらか1つをやれば充分でしょう。
名問の森の方が解説が分かりやすいのでおすすめです。
良問の風との比較
【結論】基本的に、良問の風はとばしてもいい
公式では、「名問の森」の前に、同シリーズの問題集「良問の風」を使うことが推奨されています。
1. 物理のエッセンス
2. 良問の風
3. 名問の森
しかし、物理のエッセンスをやっているなら、良問の風を挟まなくても太刀打ちできます。
良問の風は変な問題も多いので、効率も良くないです。
ただ、名問の森の電磁気は難しいので、苦手な人は良問の風を挟んだ方が良いかもしれません。それ以外の人は、良問の風をとばしても大丈夫です。
良問の風について詳しくは次の記事をご覧ください!
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難問題の系統とその解き方物理
【結論】ほとんどの人は、名問の森で十分
「難問題の系統とその解き方物理」(難系)という受験物理の最難関問題集があります。名問の森よりもかなり難しく、古い問題もたくさん載っています。
ほとんどの人にとってはオーバーワークになるので、名問の森の後に使う必要はありません。
むしろ、使わない方が良いでしょう。名問の森が終わったら、過去問演習に素直に移るのがおすすめです。
医学部や最難関大学を目指していて物理を得点源にしたい人は難系を使ってもやや効果ありますが、必須ではありません。
「難問題の系統とその解き方物理」(難系)について、もっと詳しく知りたい人は次の記事をご覧ください!
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名問の森はこんな人におすすめ
名問の森はこんな人におすすめです↓
- 物理を得点源にしたい人
- 旧帝大を狙っている人
この問題集に載っている問題を解けるようになれば、間違いなく物理が得点源になるでしょう。
物理の偏差値が70を超えることも珍しくないです。また、旧帝大を狙っている人でも高得点を簡単に取れるようになるでしょう。
名問の森のまとめ
「名問の森」のレベル→「国公立2次標準~最難関」
実際に私もこの問題集を使ってはじめて物理の偏差値が70を超えました。
特に、力学分野は良問揃いでおすすめです。
ぜひ参考にしてみてください!
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