「良問の風」は河合塾から出ている物理の問題集です。1冊で力学・熱・波動・電磁気・原子のすべてを扱っています。
それに加えて論述問題もけっこう載っています。
この問題集は、「物理のエッセンス」や「名門の森」と同シリーズです。
公式ではこういう順番に使っていくことが想定されています。↓
- 物理のエッセンス
- 良問の風
- 名門の森
実際、私もこの順番で使っていました。結果的に物理の偏差値は70を超え、旧帝大の二次試験でも得点率は8割を超えました。
その経験談も交えながら、良問の風のすべてを解説します。
これを読めば、良問の風については完璧です!
物理の勉強の進め方が分からない方は、先に以下の記事をご覧ください!
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良問の風のレベル
良問の風のレベルは「共通テスト~MARCH/国公立2次標準」です。
中堅国公立やセンター試験の過去問を多く扱っています。偏差値でいったら、55~60くらいの人が使うような問題集です。
良問の風の評判
良問の風の評判を良い評判、悪い評判に分けてまとめました。
良い評判
良問の風の良い評判はこんな感じです↓
- 難易度がちょうどいい、地方国公立ならこれでいい
- 力学が良い感じ
良い評判はかなり多かったです。
一番多かった意見は「難易度がちょうどいい」という意見です。センター・共通テストと個別試験のつなぎの問題集として使えます。
あと、力学分野が良い感じという意見がありました。
実際、力学分野は良問揃いですし、解説もかなり分かりやすいです。
悪い評判
良問の風の悪い評判はこんな感じです↓
- 電磁気が微妙
- 基礎的な問題すぎて、すぐに解答が思いつく
悪い評判はあまり見当たりませんでした。
「電磁気の解説が微妙」
「もう少し難しいのを期待していたが、基礎的な問題集で解答方針がすぐに立つ」
こういう意見がちらほらありました。
良問の風の問題数
良問の風の問題数は全部で193問です。(内、45問は論述問題)
分野 | 問題数 |
力学 | 51問 |
熱 | 16問 |
波動 | 27問 |
電磁気 | 42問 |
原子 | 12問 |
論述問題 | 45問 |
論述問題では物理の理解力や論理力、考察力が問われます。
良問の風と他問題集との比較
良問の風と他の問題集との比較もしました。
物理基礎問題精講との比較
物理基礎問題精講と比べて、問題の難易度にほとんど差はありません。
私的には、良問の風の方が、解説が分かりやすいと思うのでおすすめです。
物理重要問題集との比較
物理重要問題集と比べて、問題の難易度はやや低いです。
物理重要問題集の方が、オーソドックスな解答解説が載っています。
物理のエッセンスを使ってきた人は良問の風、それ以外の人はどちらでもいいかなと思います。
体系物理との比較
体系物理と比べて、問題の難易度にほとんど差はありません。
網羅性は体系物理の方が圧倒的に高いです。
解説は、良問の風の方が分かりやすいです。(体系物理は解説がかなり簡素)
網羅したい人は体系物理、それ以外は良問の風がおすすめです。
セミナー物理との比較
セミナー物理の方が、様々な難易度(基礎~発展まで)の問題を幅広く扱っています。
ただ、良問の風の方が、圧倒的に解説が分かりやすいです。
基礎からしっかり学習したい人はセミナー物理がおすすめです。
良問の風はいらない?→難関大受験者には必要ない
私は良問の風はすみからすみまで使いました。
しかし、受験が終わった今では「必要なかったかも」と思います。
その理由はこんな感じです↓(詳しくは後述してます!)
- マニアックな問題が載っている
- 発想力が鍛えられない
- 単調すぎる
良問の風はセンター・共通テスト対策にもならないし、難関大の個別試験対策にもなりません。
正直言って、立ち位置が微妙な問題集です。
私的に、これを使うよりも他の勉強をした方が最終的に成績はもっと良くなったと思います。
では先ほど挙げた理由について、詳しいことを見ていきましょう。
良問の風が必要ない理由
以下の理由から、良問の風は必要ありません↓
- マニアックな問題が載っている
- 発想力が鍛えられない
- 単調すぎる
マニアックな問題が載っている
一番の理由はマニアックな問題が多数載っていることです。
受験が終わって振り返ると、この問題集にしか出てこないような問題がけっこうありました。
そういうマニアックな問題に時間を使ってしまうのは、効率がとても悪いです。
頻出問題を主に扱っている別の問題集の方が短期間で学習できます。
時間がない人は特に考えて良問の風を使うかどうかを判断した方が良いです。
発想力が鍛えられない
この問題集は考えさせられる問題がとても少ないです。
物理のエッセンスの解法をそのまま使うだけで解答できる問題がけっこうあります。
物理の偏差値をより上げていくには、自分で考えて問題を解く経験が必要です。
また、この問題集を使っても新しい解き方を学ぶ機会があまり得られません。
いろんな解き方を知っている方が、解ける問題の幅が広がります。
「幅広い解法を知って、見たことのない問題にも対応できるような発想力を鍛えること」
これが難関大受験でいい結果を残すために必要だと思います。
良問の風を使ってもそういった力はつきません。
単調すぎる
問題が単調すぎて飽きてしまいます。
似た問題がいくつも連続して出てきます。
すべて同じやり方で解けるので、演習しても新しい発見は何もありませんでした。
難関大受験者は良問の風を飛ばして、名門の森を使ってOK
難関大を受験する方は、良問の風を挟まずに、最初から名問の森を使ってOKです。
もちろん、難易度は少し上がるのですが、名門の森で扱っているのは大学受験に頻出の問題ばかりです。
また、問題を解く上での誘導やヒントもついているので、初見でも意外と解ける問題もあります。
名門の森にはじっくり考える必要のある問題も多く、発想力を鍛えることができます。
あと、変な問題がほとんどないので、無駄になることも少ないです。
こんな人にはおすすめ
もちろん、良問の風を使って成績が落ちるってことはありません。
時間はかかりますが、確実に成績は上がるでしょう。なので、こんな人にはおすすめです。
公式の順番に従いたい人
公式の順番「物理のエッセンス→良問の風→名門の森」に従いたいって人は良問の風を使っても何の問題もありません。
そういう風に想定されているので、間違いありませんよ!
物理のエッセンスや名門の森については以下の記事をご覧ください!
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マニアックな問題に触れたい人
先ほども言ったように、他では出てこないマニアックな問題が結構載っています。
「とにかく物理の問題を網羅したい!」って人にはとてもおすすめできる問題集です。
受験まで時間がある人
受験まで時間がある人は良問の風を使っても大丈夫です。
基礎固めとして使うことができますよ。
まとめ
良問の風のすべてを解説しました。
良問の風のレベルは「共通テスト~MARCH/国公立2次標準」です。
難易度がちょうどいい、地方国公立ならこれでいい
力学が良い
電磁気が微妙
基礎的な問題すぎて、すぐに解答が思いつく
問題数は全部で193問です。(内、45問は論述問題)
難関大受験者の方は、良問の風は「必要ない」です。
必要ないと思った理由はこちら↓
- 扱っている問題がニッチ
- 考えなくても解ける問題が多く、発想力が上がらない
- 同じような問題が何度も出てきてつらい
最初から名門の森を使う方が短期間で成績を上げることができます。
しかし、時間はかかるけど間違いなく成績は上がるのでこんな人にはおすすめです↓
- 順番通りに進めたい人
- マニアックな問題も解きたい人
- 受験まで時間の余裕がある人
ぜひ参考にしてください!
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